立体視技術は、3D映画から医療に至るまで、幅広い分野で応用されている。立体視は、両眼の対応する網膜像間の水平距離に起因し、3D映画だけでなく日常生活においても奥行き方向を知覚するために使用されている。しかし、両眼視差を常に使用することはできない。なぜなら、手前の物体が奥の物体を隠し、左右の網膜像に異なる画像が投影される「オクルージョン」という状況のためである。ここでは、3種類のオクルージョンを挙げる。第1に、複数の物体がある時、手前の物体が奥の物体を隠す現象。第2に、物体の表面が自身でその面を覆って隠している現象、第3に物体に曲面があり、自身の曲面によって面が隠されており、左目と右目で見える部分と見えない部分がある現象である。
工藤らは特に3番目のオクルージョンに注目し、円柱のリム部を注視させる研究を行ってきた。円柱のリムで発生するオクルージョンを「リムオクルージョン」という。我々は、オクルージョンに起因する網膜画像間の不一致を避けるために眼球運動が起こったことを明らかにした。そして、被験者が円柱のリムを注視したときに注視位置が変化することを明らかとした[1][2]。
ここで紹介する研究では、オクルージョン知覚を伴う心理学的実験によって、工藤らの論文では触れられていない色度成分が網膜像の不一致検出に関わっているかどうかについて明らかにし、視覚野における小細胞の機能を解明をめざしたものである。
Reference
[1]H. Kudo, K. Uomori, M. Yamada, N. Ohnishi, and N. Sugie, “Shifts in
Binocular Fixation Points Induced by Limb Occlusion,” ITE Journal, vol.47,
no.8, pp.1115-1122, 1993.
[2]H. Kudo, K. Uomori, M. Yamada, N. Ohnishi, and N. Sugie, “Saccade Mechanism
Based on Processes for Depth Estimation and Incongruity Detection between
Binocular Retinal Images –Analysis of Gazing Positions and Inter-saccade
Intervals–,” ITE Journal, vol.50, no.4, pp.465-474, 1996.
[3]Study on incongruence between binocular images when gazing at the rim of a column with equiluminance random dots,Shinya MOCHIDUKI, Reina WATANABE,Miyuki SUGANUMA, Hiroaki KUDO, Noboru OHNISHI,Mitsuho YAMADA,IEICE TRANS. FUNDAMENTALS E101-A(6) 884-891 2018
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