固視微動
一点を注視しているとき、目の動きは止まっているように見えるが、実際には小さな動きを絶えず行っている。固視微動には、ドリフトとトレマ、フリックがある。ドリフトは、小さな滑らかな動き、トレマは非常に小さな高周波の振動、フリックは小さな跳ぶような動きで、跳躍運動(サッカード)を小さくした動きとしてマイクロサッカードとも呼ばれている。固視微動は単なるノイズではなく、空間上に浮かんでいる眼球の方向を一定に保つための動きや、網膜像を鮮明に保つための動きと考えられている。フリックは神経のインパルスを反映しているとも考えられ、脳内の視覚情報処理機構を考える上で、見過ごすことのできない眼球運動である。