跳躍運動と随従眼球運動
 随従(ずいじゅう)運動はSPM(Smooth Pursuit Movement)とも呼ばれ、最高速度が30degress/secの滑らかな動き、主に動いている視標を追従しているときに生じる、速度制御によって駆動されているといわれている。
 三半規管の働きにより、頭部運動を補償するように目を動かせる前庭動眼反射や輻輳開散運動も同様の滑らかな動き。
 跳躍(ちょうやく)運動はサッカードとも呼ばれ跳ぶような速い動き、本を読んでいるときや、日常様々な視覚対象を次々と注視するときに生じる運動。
 図の例では、時計の振り子のように正弦波に振動する視標を追従させたときの眼球運動。振り子なので重りが真下にあるときのスピードがもっとも速く、左右の頂点(方向が変わるところ)の速度はゼロとなる。視標の速度が遅いときは、随従運動で視標を遅れなく追跡している。視標の速度が速くなると、もはや随従運動で追えなくなり、視標に対して遅れていく。跳躍運動はそのような時にも生じ、遅れた分を取り戻すべく、跳ぶような速い動きを行う。跳躍運動の速度は600degrees/secにも及ぶといわれている。
眼球を1回転しても360度であることを考えると、その速さが理解できる。